木曽駒ケ岳

木曽駒ケ岳(標高m)は標高2600mまでロープウェイで到達できるので、あと300mほど登れば登頂できる。そのため、親子連れもよく目にする。私は最初に登ったときは、木曽側から徒歩で登ったが、その後はロープウェイを使っている。

 

今回(2023年7月26日)は大阪から高速バスで駒ヶ根まで行き、路線バスで菅の台のユースホステルに宿泊、翌日6:45のバスでしらび平、そこからロープウェイで千畳敷まで移動した。

ユースホステル

談話室兼キッチン

ユースホステルはきれいで、快適だった。ただ、客は中年と老人ばかりで若者はいなかった。ユースじゃなくて、ペンション(年金生活者)に改名したほうが。

 

しらび平へのバスは駒ヶ根駅発だ。多くの観光客(登山者)は自家用車で菅の台まで来るようなので、菅の台バスセンターは混雑する。繁忙期には臨時バスも出るが、バスを待っていても満員になると乗車できない。ユースホステルの最寄りのバス停はひとつ手前(駒ヶ根駅側)の駒ケ池で、そこから乗車すると満員で乗れないことはない。あるいは駅近くのビジネスホテルに泊まる手もある。

 

バスとロープウェイの時刻表と運賃は駒ヶ岳ロープウェイのサイトに掲載されている。

 

千畳敷駅(標高2640m)から駒ケ岳(標高2956m)へは標高差310mほどだが、最初にしんどいコースが待っている。乗越浄土まで水平距離670mほどで標高差210mを登る岩だらけの急な道だ。快晴の下で見る山の景色と、移り変わる草花で疲れをごまかしつつ登る。湿潤な千畳敷カールの植生がナナカマドのような低木やコバイケイソウが目立つが、登るにつれて乾いた岩屑にイワツメクサチシマギキョウが目に付くように変わっていく。

千畳敷カール

バイケイソウ

チシマギキョウ

乗越浄土と駒ケ岳の間に中岳(2925m)があり、75m登って、60m下り、また90m登る。これが面倒なので、以前は中岳の巻き道を利用していたが、少し危険な箇所がある。今回は歳をとってバランスが悪くなったので、安全な中岳コースを選んだ。

 

中岳を越えると頂上山荘がある。現在、その近くにライチョウの増殖施設が設置されている。ライチョウは保護色で、見つけることは難しい。しかし、今はライチョウの親子には調査員が付き添っている。だから、オレンジのベストを着た調査員を見つけると、その近くにライチョウがいる。運が良ければ、登山道のすぐ近くにライチョウが近づいてくる。

ライチョウ

夏休み中、千畳敷から駒ヶ岳までは行列状態だが、駒ケ岳の北側にはほとんど人がいない。しかし、真下に見える木曽小屋までぜひ足を延ばしてほしい。コマクサの群落が見られるから。まとまって咲いているのはここだけなので、人が移植したのかもしれないが、美しい。

コマクサ

11時ころに千畳敷へと下ると、霧が出てきた。午後には雷雨となることがほぼ確実なので、早めに下山することにした。この時間にロープウェイで登ってくる人もいる。泊まりならいいけど、日帰りなら残念な日になることもある。

霧に覆われてきた。午後には雷雨に。

もうひとつの穴場はロープウェイのしらび平駅から少し上流の日暮れの滝に通じる小道だ。残念ながら、倒木の危険があるため滝までは行けないが、道沿いに7月下旬にはタマガワホトトギスやキバナノヤマオダマキの花を見ることができる。

タマガワホトトギス

キバナノヤマオダマキ

菅の台の対岸、森と水のアウトドア広場の下流に苔清庵という雰囲気のよさそうな蕎麦屋がある。一度試してみたかったが、午後3時には閉まってしまうため、これまで行けてなかった。今回は早めに下山して行ってみた。平日は、二八そば、十割そば、粗びき田舎そばの3種類。粗びき田舎そばと天ぷら盛り合わせを頼んだ。そばは太目でこしがあっておいしかった。そば殻も挽いてあるのでざらついて香りも高い。つゆはさっぱり系。天麩羅は野菜のみで、ヤマブドウの葉とクズの葉の天麩羅もあった。

苔清庵

田舎そばと天麩羅

駒ケ根高原にある光前寺のヒカリゴケもずっと興味があったが行けてなかった。宿泊したユースホステルから近かったので、行ってみた。参道は大きな杉の並木があり、コケが美しい。客殿の縁の下でヒカリゴケが光っていた。参道の石垣の隙間にもヒカリゴケがあるそうだが、気づかなかった。

光前寺全体が史跡名勝天然記念物に指定されているが、本坊の庭園は築山泉水庭で、池にはコウホネの花が咲いていた。

光前寺山門

ヒカリゴケ

本坊の庭園。池の中の黄色い花がコウホネ