誰が陰謀論を信じるか

Ozono H, Sakakibara R (2023) The moderating role of reflective thinking on personal factors affecting belief in conspiracy theories. https://doi.org/10.1002/acp.4142

 

読売新聞オンラインより

『「陰謀論を信じやすい」人たちの傾向として強く出たのは、「熟慮性が低い人」ということだ。直感的に物事を判断する人ほど、特にコロナに関する陰謀を信じやすい傾向にあることが分かった。これは「科学的推論」を問う質問や「合理性」を問う質問についても同様の傾向が見られている。逆を返せば「物事を論理的に考えられる人ほど、陰謀論にハマりにくい」(大薗准教授)ことが証明されたというわけだ。』

 

『また、社会不安や不満が高い人ほど陰謀論にハマりやすいという結果も出た。顕著に出たのは「アノミー(=世界は悪くなっているという信念)」が強い人ほど、陰謀論に傾倒しやすい傾向にあった。』

 

先日テレビでジョセフ・ヒースのインタビューをやっていた。陰謀論やトランプ支持者のように見たいものしか見ない、動物化したかのような人々は、複雑な現象を理解しようとすることをあきらめて、単純な思考しかしない。複雑な思考のインテリを嫌う。これは左翼、右翼関係なく生じる現象だという。

 

ヒースは単純な思考と複雑な現実をどう向き直せるか考える必要があるという。

 

実は同様のことをマイケル・サンデスも書いていて、彼の場合は大衆をインテリ批判に導いたのはインテリの責任だとしていた。